北朝鮮の首都平壌ピョンヤンの街並みを、都市論の観点から豊富な写真・図版を使って紹介した『巨人の箱庭 平壌ワンダーランド』が、駒草出版から刊行された。

 著者で東アジア学研究者・記録写真家の荒巻正行さんは長年、北朝鮮で現地調査を続けてきた。閉鎖的な政治体制の下で発展してきた250万都市・平壌を「現代文明の秘境」と呼び、その特徴的な都市計画や建築について金日成キムイルソン、金正日キムジョンイル、金正恩キムジョンウン3代の指導者の街づくりを比較。それぞれを新古典主義都市、構成主義都市、SFバロック都市と定義し、世界から孤立した「ガラパゴス都市」を新たな視点で考察している。

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著者:荒巻正行(あらまきまさゆき)


東アジア学研究者・記録写真家。1968年生まれ、大阪府出身。
米国・メリーランド大学カレッジパーク校人文学部東アジア研究学科卒。中国・首都経済貿易大学大学院留学。早稲田大学大学院修了、修士(国際関係論)。
北京を拠点に研究活動を行い、1997年より20年にわたり映像記録による北朝鮮での現地調査を続けている。また、チベット・北朝鮮をテーマにした報道ドキュメント作品を多数制作し、日本テレビ、TBS、NHKなどで放映されている。
2007年からは平壌の女子高生によるロック・プロジェクトを主宰している。

【朝日新聞 書評】

北朝鮮は今、私たちの紋切り型の先入見を置き去りにして、さらなる未来へと向けて急激に様変わりしつつあるのかもしれない。本書を手にして、その答えがおぼろげながら見えてきた。

​多摩美術大学教授・美術評論家 椹木野衣

​【神戸新聞・岩手日報・沖縄タイムズ等 書評】

彗星のように登場したのがこの本だ!!

狭い建築論ではなく、北朝鮮の思想・政治・経済などを説明しながら時代的な特徴を記述する。北朝鮮の初心者にもわかりやすい。

​京都大学教授 小倉紀蔵

​【雑誌「pen」 書評】

著者は、首尾一貫して日本人の固定化した北朝鮮像を刺激し、覆す。北朝鮮の本音を読み解くカギは、本書の延長線上にある気がしてならない。

​写真家・ジャーナリスト 菱田雄介

​【評論】

著者は、北朝鮮について、従来の政治学や国際政治学とは異なる観点から、この特異な国が長期に存続する理由を模索する。本書のような発想を念頭に置くことが、日朝交渉の成功にもつながるような気がする。

国際政治学者 舛添要一

​現代のインテリゲンチャーの方々に贈る一冊「巨人の箱庭」荒巻正行